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2005年9月11日 - 2005年9月17日

2005年9月11日

円満字二郎『人名用漢字の戦後史』

 子どもの名付けに、夫婦で何ヶ月も考えつづけた結果決めた漢字が、戸籍上使えないということはわかった時、人名に使える漢字の少なさにびっくりした。
 なんでこんなに少ないんだろう?そもそもなんで制限されなきゃいけないの?読み方はなんでもありなのに、漢字はなぜ?子どもの名付けにこだわろうとする夫婦がぶつかる疑問に、ばっちり答えてくれるのが、この本。

「……そもそも名前の漢字制限はどのようにしてスタートしたのか。人名用漢字という制度はなぜ必要とされたのか。それが数次にわたって改訂されてきたのは、どのような事情によるものなのか。おのおのの改訂を後押ししたのは、いったいどういう力なのか。
 そういった歴史をたどっていくと、それぞれの時代が漢字に影響を与え、それに対して漢字が応えるようすが見えてくると、私は思う。そしてその中から、現代社会において漢字が持っている性格と、その果たしている役割が、見えてくるように思えるのだ。」(「まえがき」より)

 一見、マニアックとも思える歴史を、見事に再構成し、「現代社会において漢字が持っている性格」をおもしろく描き出してくれていると思う。

 ただ、残念なのは、本書のキー概念となっている「唯一無二性」については、筆者も使いこなせていない印象が残る事(この点については、より精緻な批判が必要だろうと思うので、後日、余裕がある時に論じなおしたい)と、それぞれの章のまとめが、苦し紛れに書かれている印象を受ける事だ。実際、まとめになっておらず、本論と同じ文章の反復がされているに過ぎない箇所が幾度もでてくる。

 とはいえ、人名用漢字をめぐる入り組んだ史実を、わかりやすく、おもしろく整理して見せてくれただけでも本書の価値はある。

(円満字二郎『人名用漢字の戦後史(岩波新書)』岩波書店、2005年)

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