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2005年1月 5日

アグネス・チャン『小さな命からの伝言』

 この本は、子どもたちとの出会いのなかで生きてきたアグネスさんが、「世界中で、叫ぶことさえできない子どもたちから託された伝言」(まえがき)を、多くの人に伝えるために書かれたものである。

 ボランティアや日本ユニセフ協会大使として、飢餓、人身売買、買春、エイズ、戦争・紛争による戦禍のなかで暮らす子どもと出会い、彼女は、戸惑い、無力感、憤り、怒りを感じ、苦しむ。しかし、それでも彼女は、子どもたちとの出会う旅を続ける。

 テレビでも、海を越えた地での難民の生活や飢餓に苦しむ子どもたちの姿は映し出されている。しかし、日本で住所のある暮らしをしている者にとっては、それを「実感」として受け止め、それを持続させることは難しい。この本の良さは、いわば「恵まれた」立場で暮らしている私たちが、こうした問題をどう考え行動するのかというテーマに、まともに応えようとしている一人の大人と出会えるところにあると思う。

 子どもたちが直面する現実はあまりにも酷い。眼をつぶりたくなるような現実ばかりである。しかし、この本が描くのは絶望ではなく、希望である。「そこに子どもがいる限り希望がある、未来はある」という彼女はいう。

 漢字には読みがなもふられている。読書が食わず嫌いの人にとっても読みやすい文章で量も少ない。小学生高学年から読める本である。しかし、この本は、子どもだけではなく日本に住む大人にこそ読んでほしい。アグネスさんが出会った子どものなかには、日本政府が支持した戦争によって今も戦禍に巻き込まれている子どもがいるのだから。
(アグネス・チャン『小さな命からの伝言』新日本出版社、2004年12月20日)

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